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朝霞さんがいる方から、ざわめきが聞こえてきた。
私と桶川さんは、何事かと足を止める。
すると、朝霞さんが慌てた様子でこちらに走ってきた。
「桶川さん、今から都合つくタレント居ませんか?」
どうやら、出演予定の解答者が一人、交通事故に巻き込まれ出られなくなったらしい。
「今からって・・・いきなり言われても。」
「・・・ですね。」
考え込む二人。
そこに、スタッフらしき人がやってきた。
「朝霞さん、心当たりって、その人?」
「はい。桶川プロの社長さんです。
彼女に、都合つくタレントさん居ないか聞いたんですが・・・」
すぐに収録なのに、そうそう都合よく来られる人なんか居ないわよねぇ。
「えっ?そこのカワイコちゃんを当てにしたんじゃないの?」
桶川さんと朝霞さんが私を見る。
「そうだよ。ユウリちゃんが居るじゃないか。」
「それはいいわね。番宣兼ねて出てもらいましょう!」
私が出ること前提で話を進める三人。
「あの・・・私、見学に来ただけなんですけど。」
出るとは一言も言ってないんですけど・・・
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