初めての取材・初めてのテレビ

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「大丈夫。クイズだから、特別な事はやらないわよ。」 「そうそう。僕もフォローするしね。頼むよ、ルシファー。」 主役のコウの声で頼まれる。 生で聞くと凄い。よくこんなに声を変えられるものだと感心してしまう。 「解りました。マスターの頼みです。きかないわけにはいきませんね。」 ルシファーになったつもりで返す。 「それじゃ、行こうか!」 私はスタッフや他の出演者さんに引き合わされた。 いつもテレビで見ていた番組の出演者に会えるなんて、思いもよらなかった。 挨拶が終わると、収録開始の時が迫っていた。 「ユウリちゃんは代役だし、無理しないでね。普通に答えていれば良いから。」 「ガチで答えて大丈夫なんですか?」 時々、ネタを入れたりわざと間違えさせるクイズがあると聞いた。 なので、一応確認する。 「うちはヤラセは一切ないから。優勝も純粋に実力で決まってるんだ。 だから、気にしないで普通に回答してね。」 そう言って司会者席に戻る朝霞さん。 それなら頑張って優勝狙ってみますか。 意外と負けず嫌いなユウリであった。
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