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「ユウリちゃん、起きて!事務所に着いたわよ!」
体を揺らされて目が覚めた。
「ああ・・・すいません。寝てしまったんですね。」
車に乗ってからの記憶がない。
「仕方ないわ。初めてのテレビで疲れたのね。
着替えたらすぐに送るわ。」
「すいません。ありがとうございます。」
ヨロヨロと制服の箱を持って歩く。
「さ、ここで着替えましょう。」
小部屋に入り、鍵をかける。
制服に着替えて、着ていた服を桶川さんに渡し、三つ編みを編む。
部屋を出て車へ歩く。
「この服・・・どうしましょう?」
「えっ?ユウリちゃんが着たら?」
当然のように言う桶川さん。
「ユウリはともかく、遊はこんな服は着ませんよ。持って帰ったら怪しまれます!」
「まぁ、いずれバラす訳だし。いいんじゃない?」
車に乗り込み、エンジンをかける。
「はぁ・・・タンスの奥に隠すわ。」
思わずため息が出てしまう。
「明日は今のところ予定ないけど、明後日は『異世界記』の収録よ。」
「はい。学校から帰ったら電話します。よろしくお願いします。」
いよいよ二回目の収録だ。
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