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翌日は何事もなく終わり、水曜日。
私は学校が終わるとすぐに家へ帰り、私服に着替えた。
出かける事は両親に伝えてあるので、何も言わずに出る。
「あ、お姉ちゃん、お出かけ?」
バッタリと由紀にでくわしてしまった。
「うん。ちよっと遅くなるから。」
それだけ言って走り出す。
由紀は怪訝そうな顔をしていたけど、構っている暇はない。
「ユウリちゃん、こっち!」
少し離れた所に止まっていた桶川さんの車に乗り込む。
「この姿の時は、遊です!」
まだ誰にも知られていないから大丈夫だけど、この間のクイズ番組が放送されたら気を付けないと。
「いいじゃない。やましい事をしてる訳じゃなし。普段からユウリちゃんになっちゃえば?」
桶川さん、そんなにバラしたいんですか・・・
「そのつもりはありません。
まだ声優をずっとやるとは決めてませんから。」
髪をほぐしながら言う。
「でもねぇ、家からユウリちゃんで出られれば、もっと楽になるわよ?」
うっ!それを言われると弱い。
テレビの時は、あの服だったから直接帰れなかった。
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