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お父さんは微笑んで私たちを見ている。
「そうか。お父さんも嬉しいな。」
考えてみたら、両親も声優さんと接点があった。
書いている小説がいくつかアニメ化しているので、イベント等で声優さんと会うことがあるらしいのだ。
と考えると、妹がアニメ好きなのは、両親の影響?
考えすぎか。
「出来たわよ~。」
食事ができたみたいなので、キッチンに行く。
できた料理を運び、揃って食事。
両親は、よくテレビを見る。
特にクイズ系や教養系は、小説の参考になるらしく、録画までしている。
つまり、これから始まるクイズ番組を、家族揃って見る事になるわけで・・・
私がユウリであることは三人とも知らないけど、かなり恥ずかしい。
恥ずかしいから、見たくない。
でも、見ないわけにはいかない。
相反する感情に悶々としている間にも、刻々と時間は過ぎていく。
そして、運命の8時。
タイトルコールと共に、番組が始まる。
「お姉ちゃん、この司会してる人も有名な声優さんだよ。」
由紀が嬉しそうに説明してくれた。
私は緊張していて、答えられない。
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