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「(よかった…誰かが追い払ってくれたんだ。)」
…誰が?
疑問が頭に過ぎったと同時に、きりりと頭痛がした。
まるで何か不都合なことをしまうかの様に、頭が…脳が停止しているようだ。
それが何なのか、さっぱり分からないが、思い出さなくてはと気が急いた。
とりあえず、私は母屋の方へと帰ろうと、手を着き起きあがろうとした。
「あっ!ぐぅ…」
突然腕に激痛が走った。
ゆっくりと右腕を見ると、白い着物の袖が、紅黒く染まっている。
(ぞくっ…)
「(あれ…私は…何かを忘れていないか?…何か…大切な…)」
傷口を見ると、誰かに噛み付かれたような…かみ…
―真夜君―
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