「蛙の怪」

15/18
前へ
/22ページ
次へ
「(よかった…誰かが追い払ってくれたんだ。)」 …誰が? 疑問が頭に過ぎったと同時に、きりりと頭痛がした。 まるで何か不都合なことをしまうかの様に、頭が…脳が停止しているようだ。 それが何なのか、さっぱり分からないが、思い出さなくてはと気が急いた。 とりあえず、私は母屋の方へと帰ろうと、手を着き起きあがろうとした。   「あっ!ぐぅ…」 突然腕に激痛が走った。 ゆっくりと右腕を見ると、白い着物の袖が、紅黒く染まっている。   (ぞくっ…) 「(あれ…私は…何かを忘れていないか?…何か…大切な…)」  傷口を見ると、誰かに噛み付かれたような…かみ…   ―真夜君― 
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加