「蛙の怪」

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「またか…」 この頃、毎日のようにうちの境内にある賽銭箱の上に、 “引きちぎったような蛙の頭” を四方に置いていく、 悪戯と言うには悪質すぎる行為が行われていた。 「はぁ。一体誰が…」 ただえさえ私は蛙が苦手だと言うのに… 毎朝、残酷で不気味な“頭”だけの亡骸を片付けなくてはならないなんて。 本当に、誰がこんな事を… 確かにうちの敷地内には少し大きめの池がある為、今の時期はおたまじゃくしや変態した蛙がわんさか居る。 だから本体、と言ったら言葉が悪いが、頭の調達は簡単なのだ。
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