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「いや…しかし」
「今夜、両親はいませんし、塾が終わるの遅いですからね?」
にこりと笑う真夜君。
いいのかなぁ…と悩んでいるのが顔に出ていたのか、「それに…」と、言葉を続けた。
「それに?」
「ぅん。大好きな友達が困っているのを放っておける程、僕は冷血じゃないんだよ? そりゃあ心配で心配で、夜中遅くになっていたとしても、やっぱり出てきちゃうかも…だったら、もう少し早い時間から一緒に待ち合わせていたほうがいいんじゃないかな?」
でも…一人だけだと…こんな幼い少年を…
いや、夜中に可愛らしい少女みたいな彼を一人で歩かせるよりは…と
私は自分の弱さに負けて彼と待ち合わせをしてしまった。
いいのかな…等と迷っているうちに、その時間…夜は訪れ、
約束した七時に真夜君は来た。
「こんばんは。」と、言いにこりと微笑んだ。
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