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自分の敷地内であると言うのに、まだ夏の七時とはいえ、暗くなり始めた境内を一人で見張っているのは確かに怖い。
「(うぅう…私弱いなぁ…)」
なんだか情けなくなってきたが、折角彼も来てくれたのだ。
「(よし、な、何かあったら、彼を、ま、ま、ま、まも…まも…守ってみ、みせ…)」
「…大丈夫?震えているよ?」
あうー…大の大人であるはずの私より真夜君の方が頼もしい。
私の決死の覚悟は呆気なく、ただ単に心配されてしまった。
現在…零時丁度、未だ犯人は現われない。
私が怖いからと言う理由で賽銭箱が目の前にある本殿から離れた納屋から見張っている。
真夜君をこの時間迄引き止めている自分が嫌になったが…
悪い。ここまで来たら泊まっていってくれぇ…
「いいよ?」
「え…え?」
「泊まって、でしょ?いいよ。」
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