~ 傷痕 ~

5/6
前へ
/12ページ
次へ
どれくらい経っただろう いつの間にか窓の外が白み始めたのに気が付いた 彼女も心なしか 目が虚ろになっている 『ごめん、眠たいよね?疲れてるだろうから、今夜はゆっくり眠って。俺も明日は休みだから、朝起こす事もないだろうし。』 『…………。』 『ベッド一つしかないけど、2人分のスペースはあるし、寝相悪くないよね?』 『……多分、大丈夫。』 おどけて言ったつもりだったが ナツの表情は曇っている 彼女をベッドルームへ案内し 俺は汗を流す為 バスルームに向かった 蛇口を捻ると 少し温めのシャワーが勢いよく飛び出し まだ少し残る酔いを 一気に洗い流していく 冷静に考えれば この状況はヤバい 家出とはいえ相手は未成年 家に連れ帰るだけで 法律に引っ掛かる 最悪の事態を想像すると 背中にゾクッと 冷たいものが走った しかし 今さらなってしまった事を考えても仕方ない とりあえず明日 どうするか考える事にして バスルームを出た
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加