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「ところで、参加されますか?」
唐突にされた意味の分からない質問に頭が混乱する。
「え!?何に?」
そう聞くと男は顔に失望の色を浮かべて、これみよがしに大きなため息をついた。
「他人の話を最後まで聞くのは最低限のマナーだと思うのですが…違いますか?下界にはそれすら出来ない者達の多いこと多いこと……。大体すぐ目の前でそれなりの音量で話していることの内容を1%も理解出来ないのはどういうことでしょうか。憎たらしくてたまらない我らが上司が十割増マシに見える」
興奮しているのか、唾を飛ばしながら物凄い勢いで迫ってきた。
顔つきは豹変し、鋭い目線で刺すように見つめられる。
スッゴくけなされた……。
一方的にそこまでずけずけ物を言われると腹がたってくる。アンタが一体俺の何を知ってんだ!と。
「で?参加されるんですか?」
ろくすっぽ説明もせずに再び訳の分からない質問をしてくる。
ほぉ、そうかい?
そっちがその気なら……。
「ああ!何にだって参加してやるよ!」
途端、男は元の温厚な表情を取り戻した(何故か俺は負けた気分になった)
「かしこまりました。では……」
そう言うと、右の人差し指を俺のおでこにもってきて、軽く弾いた。
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