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遺書を書くのだってもたついた。どんな文面にすればいいのか見当がつかない。どうせ読まれる頃にはこの世にいないのだから、と適当に書いてみたのだが、どうもしっくり来ず、警察が自殺の原因を調べてくれることに賭けた。
そしてこの日のために靴も新調した。屋上に残されていたのがボロボロに履き古されたスニーカーでは、なんとなく格好が悪いからだ。
ここまで気の回る自殺者もなかなかいないだろう。自分自身、我ながら上出来だと何度褒めたたえたことか。
とりあえず、期は熟した。
まだ遺書のことに心配が残るが、この世に未練ってやつはない。
今の状態で日々を過ごすなら、輪廻転成ってやつをして新しく生まれ変わる方が100倍いいと思う。
……さぁ、鳥になろう。
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