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「『GOK』……平たく言えば、神による人間への救済処置でしょうか。クリアすると、神自身が願い事を一つだけ、叶えてくれるみたいです」
「ちょっとちょっと、一体何の話してるんですか?」
何か言いかけていた執事は少し驚いたような顔をして、再び同じようなことを言い出した。
「ですから、『God Only Knows』通称GOKは……」
「いやいやいやいや、だから…そのぉ……なんていうか……今から自殺しようとしてる人間に話す内容ですか?それ」
「……?そうですが」
執事はキョトンとした顔で、当たり前のように答えた。
勘弁してくれ。なんだっていい年した大人の茶番劇に付き合わされなきゃいけないんだ。おぉ神よ、何故我にこんな試練を与えたもうた。
その後も執事は、優を取り残して、自分だけが納得しながらベラベラと喋りつづけた。
そのほとんどの内容を聞き漏らすように注意したが、時折聞こえてしまう、『HP』や『属性』とかいう言葉から、二次元と三次元を完璧にごっちゃにしていることが分かった。おそらく、呪文を唱えれば手から炎が飛び出すとでも思っているのだろう。
適当に相槌を打ちながら、話は進んでいった。
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