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ふと目が覚めた。
目の前に広がるのは真っ白な世界。
「ここはどこだ?! 俺は死んだんじゃ……っ」
勢いよく起き上がると「ようこそ」と声が聞こえた。前を見ると真っ白な服を着た少女が立っている。
「ここは自殺した者だけが訪れる世界、自殺者の国」
「自殺者の国……?」
とにかく驚くことしかできない。俺は死んだんだ。生きることができなくて、死んだはずなのに。
「貴方にこれから……「ちょっと待てよっ」
少女の言葉を遮って俺は聞いた。
「俺は死ねたのか?」
少女は表情一つ変えずに答える。その無表情がとても不気味で、怖い。
「ここにいるということは死んだということです」
「じゃあなんで動いてる?! 意識がある?! 死んだはずなのにっ」
息を切らす俺を少女はじっと見つめる。
俺は死んだんだ。自殺したんだ。全てを捨てようとしたのに。
「貴方は何らかの事情で自殺した。貴方の肉体はもう死んでいる。貴方の魂だけがここにいる」
意味がわからなくて俺はただ茫然としていた。
「あなたは天国にいくか、地獄にいくかを決めます」
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