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部屋にはカチッカチッと音が響き渡る。
針はすでに9時を指していた。
九月一日、始業式の日だと言うのに、
俺は学校に行く気なんて微塵も起きなかった。
ポストには連絡ノートなんてものがぎっしりつまっていて、
この家がまるで廃墟かという雰囲気を醸し出している。
まぁ俺は俗にいう「不登校」だ。
俺が学校に行かなくなったのなんて単純明解。
両親が死んだから―――。
ってのはただのこじつけで、
本当は学校なんてつまらないところって改めて感じたから。
気に食わない奴らがいて
気に食わない教師がいて
気に食わない保護者どもがいて…。
とにかく学校なんかに興味なんて湧くわけなかった。
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