12人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
時が徒に過ぎていく
なにも感じないそんな空虚な時間の中で
それを切り裂くようなけたたましい音が響いた
ピンポーン…ピンポーン…
「ちょっとー、中にいるんでしょ、今日ぐらいはおとなしく出てきなさーい!」
「…またあいつか」
しばらくの沈黙。
緊張。いや、俺はあいつが苦手なんだ。
小学校からそうなんだ
帰るときも、学校でも、遊んでるときも
――両親が死んでからも。
「…あ、開いてる。入っちゃお~」
「ちょっ…!」
やばい、夏休み中掃除してないから見られるわけには…!
ガチャッ
…抵抗空しく、女子禁制の絶対領域に入られてしまった
「うっ、カビ臭い…。すぐに窓あける、ほら!」
「お、おう…」
重いからだをあげ、窓を開けに行く俺。
唖然とするあいつは、せっせと散らかったゲームを固めていた…。
最初のコメントを投稿しよう!