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「いや、あのさ
朝は2ケツして連れてきたけど
帰りは帰る方法なくね?」
…確かに
まぁ帰りくらい歩いてもいいのだが
歩くのには少し時間がかかる距離だ
そこまで考えてなかった…
「でさー送ってあげたいけど俺も部活あるんだよね…
まぁ待っててくれるならいいけど
結構遅くなっちゃうからさ。」
そっかぁ…と心の中でシュンとなる。
いやいや、今日初めて会った人にそこまで迷惑はかけられない
…付き合ってるわけじゃないし
「でもね、学校の近くにバス停あるの知ってる?
そこでバスに乗るとちょっと遠回りだけど由芽ちゃん家の方向に行ってくれるから
それに乗るといいよ」
そして河村先輩はバスの時刻表を見せてくれた
「何か…ほんとにありがとうございます。
こんなに親切にしてもらって…」
「いやいや別に大したことしてないよ」
彼は少し慣れている様子で言った
「本当、河村先輩って優しいですね。」
「俺が? 全然優しくないよ?」
そして私の耳元に顔を近づけてこう言った
「由芽ちゃんだからここまでしてんの。
こんな可愛い子ほっとけないよ?」
私は思わず顔を真っ赤にして
固まってしまった
先輩はそれを見て笑いながら
「顔、真っ赤だよ」
と言ってわたしの顔に顔を近づけて
おでこに軽くキスをした
「じゃあ、またね」
先輩は余裕な素振りを見せて
自分の教室に戻って行った
私はしばらくそのまま固まって動けなかった
ただ私の心臓だけはずっとドキドキしていた
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