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ごくりと生唾を飲み込み、美夜は魔方陣の中へと一歩、足を踏み入れる。
すると、その瞬間に魔方陣は急激に光を増した。
「!」
美夜は驚いて身を引こうとするが、足が動かない。
いや、足だけではない。
まるで金縛りに遭ったかのように、全身がぴくりとも動かないのだ。
未だかつて得たことの無い戦慄が、美夜の背中を無遠慮に撫で回す。
そのような美夜の心中など知らぬとばかりに。
次の瞬間には、美夜の身体がふわりと宙に浮き、魔方陣の中心へ向かってゆっくりと移動し始めていた。
必死で抗おうと試みても、身体が全く言うことを聞いてくれない。
それどころか身体を束縛する力は更に強まり、美夜は呼吸することすらも儘ならなくなっていた。
(苦しい……)
冷たい汗が美夜の背中を、頬を、伝ってゆく。
美夜の身体は遂に魔方陣の中心へと到達し。
美夜の意識は、そこで途絶えた。
魔方陣の中心へと到達した美夜の身体は、空間に溶けるようにしてゆっくりと掻き消えてゆく。
美夜の姿が無くなると、魔方陣はまるでその役目を終えたかのように光を収束させ、消えた。
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