商人と奴隷

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「良いから、早く渡せよ」 ハマ様が少し怒りのこもった声で命令した。 それを聞いて自分はあわてて服を召使に差し出す。 「んじゃ、ま 始めようかね… お湯攻め」 …お湯攻め? 聞いた事がない拷問だ。 いや、名前で大体想像はつくのだが… 熱湯をかけられるか お湯に顔を無理やりつけられるか… 「俺についてこい。」 「はい…」 そのまま、ハマ様の部屋を出て 2分ほど、いろいろ通路を曲がりながら歩き 大浴場と思われるところに到着した。 もちろん、金持ちの風呂場である。 とてつもなく広く、所々に金属類や宝石がちりばめられている。 ハマ様は腕と足の袖を捲り上げた。 そして、そこで気づいたのだが、 これほどお金持ちであるというのに ハマ様は庶民となんら変わらない服装… いや、多少裕福な庶民といったレベルの服を着ていた。 だが、むしろそれが似合っているようにも思えた。 「…何ずっとこっち見てんだよ」 指摘され、あわてて下を向く 「す…すいません!」 「…謝らなくて良いから、早く。」 おびえながらハマ様へついていった。
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