商人と奴隷

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そのままその大浴場で何かをされるのかと思いきや ハマ様は、大浴場の奥にあるドアのところまで行き、ノブに手をかけた。 ドアが開くと、そこには サイズの小さいもう一つの風呂場が現れた。 シャワーもついていて、体を洗う洗剤も置いてある。 だがここは、浴槽は足を伸ばせるぐらいには大きいものの、 金持ちが使う風呂場というには狭すぎる。 これは、召使用の風呂場なのだろうか? 「ここ、俺の風呂場」 「え?」 思わず声が出てしまった。 「あ…あの大きい大浴場は何ですか?」 「あれ?あれは召使用」 何か、普通は逆なような… そうは思ったが、流石に口には出さなかった。 「ほら、早くこっち」 ハマ様に強引に腕をつかまれ、 椅子に無理やり腰かけさせられた。 そのまま、シャワーからお湯が出る。 とてつもなく熱いお湯だと想像していたのだが、 以上でも以下でもなく、適温であった。 そのまま、ハマ様は 体を洗うためのブラシを取り出し、 体を洗う洗剤をそのブラシに付け、自分…僕の体をブラッシングし始めた。 「あの…これは何の…?」 「さっきはお湯攻め 今は泡攻め…かな」 「いや、あの…」 拷問というより、気持ち良いくらいだった。 洗剤に毒でもあるのかと最初は思ったが、 ハマ様もその泡に触れている以上 もし毒でもあったならばハマ様にも被害があることになってしまう。 そうではないようだった。だが、ハマ様が何をしたいのかは全く分からなかった。 「やっぱりドーマンって毛が多いんだな。重労働だ。」 抵抗する事も出来ないまま ただただ自分の体が洗われていった。
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