商人と奴隷

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「あの…もしかして… 自分の体を…洗ってくださってます?」 しばらくの間、ハマ様がひたすら 自分の体をブラッシングしているので 思わず聞いてしまった。 「あぁ…それでもいいけど。」 …と、良く分からないまま曖昧にあしらわれてしまった。 もし、奴隷の身分で 主に体を洗わせているとしたら 何度死んで償っても足りないほどの大悪行だ。 いくら常識を知らない人間でも 今この状況が果てしなく非常識であるというのは目に見えて分かる。 「はい、終わり。 次は熱風攻めと行きますかね」 ハマ様はそう言って、自分を 大浴場を通って更衣室まで連れて行った。 そうしてハマ様は、棚から何か機械のようなものを取り出した。 あれは、確かドライヤーとかいう… 前の主が使っていたような気がする。 ハマ様はドライヤーのスイッチを入れると 僕の体に、熱くないように少しの距離を取って熱風をかけ、 体を乾かし始めた。 「これは…」 「熱風攻め」 どうやら譲る気はないようだった。 もしかして、普通に風呂に入れさせたのでは 後々大問題に発展する危険性も無くはない…だから 拷問のように見せかけているのでは…? などと、甘い考えも浮かんでくる。 だが、ちょっとでもそんな事を思うのは許されない気がした。。 後で何かしら症状が現れるのだろう。そうに違いない と、自分を納得させることにした。
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