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少し…いや、とてつもなく気になっていることがあった。
それは、ずっと頭から離れることなく
自分の思考回路をひたすら混線させている。
“何故、彼…ハマは、
わざわざあそこで自分を助けたのか”
奴隷を自分の手元に置いておきたいのなら
こんなご時世、金を出せばどこででも手に入れることが出来る。
そして、あの言葉
「唯一無二の存在...ね。」
あれは......あの冷笑は、その場にいた全ての人を否定していた。
言い換えれば、あそこにいた全員を敵に回しかねなかった。
いや実際、あそこにいた人は内心穏やかではなかっただろう。
そして何より、今自分がいるこの部屋…。
飛行船から下ろされた後に案内された、
屋敷の中の、奴隷である自分の為の部屋として用意されたものであるが、
奴隷に部屋を用意してあるというだけでもあまり例にないことなのに、
この部屋は…客人をもてなす時に使うというレベルの
豪華な飾りつけのしてある部屋だった。
考えれば考えるほど訳が分からなくなっていく
果たして本当に自分は奴隷として扱われているのであろうか?
奴隷として扱われているとして、どうしてこのような
奴隷にはありえないような待遇を
自分は受けているのだろうか?
同情?いや、そんなもので人の心は動かない。
今、優しくしておいて
後で蔑み笑い、どん底に突き落とす作戦…?
それは…ありえる。
自分は、今までの経験より
どんなひどい状況でも、ありえないことはないということを既に悟っていた。
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