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「責任重大ですね…。浄化作業は、具体的にはどうやってやるんです?」
「そこまで構えなくても大丈夫ですよ。貴女はグランドールの為に生まれたといっても過言ではないくらい、相性が良いですから。存在しているだけで浄化されます」
ほっとして息を吐いた。知らず知らずのうちに緊張していたらしい。
「じゃあ、適当に旅でもすれば良いんですかね?」
「それが好ましいですね。大地の浄化が目的ですから、同じ土地にいるのは長くても20年くらいですね」
「20年…」
「あと、不老不死になっていただきます。それと、僕が渡し得る全ての能力をお渡しします。こちらの都合で巻き込んでしまった、せめてもの罪滅ぼしです」
「あ、ありがとうございます…」
不老不死か…。素顔で過ごすのはちょっと不便だ、などと考えていると、少し戸惑ったようにリティスが尋ねてきた。
「ところで…貴女の格好は、その…仕事着ですか?」
「そうですが、何か?」
私の今の格好は、ピンク色の兎の着ぐるみである。ふわふわとした毛並みにへたりと少し垂れた耳、こども受け間違いなしの様相をしている。
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