着ぐるみ、神と遭遇する

4/5
前へ
/11ページ
次へ
「責任重大ですね…。浄化作業は、具体的にはどうやってやるんです?」 「そこまで構えなくても大丈夫ですよ。貴女はグランドールの為に生まれたといっても過言ではないくらい、相性が良いですから。存在しているだけで浄化されます」 ほっとして息を吐いた。知らず知らずのうちに緊張していたらしい。 「じゃあ、適当に旅でもすれば良いんですかね?」 「それが好ましいですね。大地の浄化が目的ですから、同じ土地にいるのは長くても20年くらいですね」 「20年…」 「あと、不老不死になっていただきます。それと、僕が渡し得る全ての能力をお渡しします。こちらの都合で巻き込んでしまった、せめてもの罪滅ぼしです」 「あ、ありがとうございます…」 不老不死か…。素顔で過ごすのはちょっと不便だ、などと考えていると、少し戸惑ったようにリティスが尋ねてきた。 「ところで…貴女の格好は、その…仕事着ですか?」 「そうですが、何か?」 私の今の格好は、ピンク色の兎の着ぐるみである。ふわふわとした毛並みにへたりと少し垂れた耳、こども受け間違いなしの様相をしている。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加