ピエロ

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よっしゃ! 左手で微かなガッツポーズをすると、当たり目を揃えようとしてコインが残り2枚だと気がついた。 1枚掛けでボーナスを揃えても、2枚のコインがなければボーナスゲームがプレイ出来ない。 あと千円をサンドに入れるかを悩んだ挙げ句、 隣の女性がREG後の数ゲームでまたペカッたのを確認し、コインを借りようと考えた。 「あの、すみません。コイン1枚貸してくれませんか?」 店内の喧騒の中、隣の人に話しかける時は、おのずと顔を近づけるようになる。 女性の石鹸の香りが鼻腔をくすぐった。 女性は黙って左手でコインを1枚、実人に渡すと、今度は一回でボーナスを揃えた。 7・7・7 BIGだった。
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