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「シェリー」
「白、順調そうね」
そんなシェリーの許へ白が歩み寄る、春はというと休憩を兼ねて地面にぺたんと座り込みリンと冷羅の戦いを遠くから眺めている
「春には戦闘の修業をさせてあげないの?」
「うん 春は 接近戦に 向いてないから 遠距離攻撃を 中心に 防御 視覚阻害の魔法を覚えさせた」
あの時、冷羅から逃げ惑う修の前に突如として春が現れた理由は魔法で視界から姿を消し誰にも気付かれず近付いたからだった
「それで良いのかしら」
「大丈夫 二人の側には 修が居る だから 冷羅が前衛戦闘でも 春が後方支援でも まとめて 護ってくれる」
横薙ぎに振り抜かれた両刃の剣を屈んで避け立ち上がり様に短く持った氷の薙刀を振り上げる
瞬間反射的に後方に下がったリンは紙一重で鼻先の至近距離まで迫った青白い刃を避け反撃に移った
「随分と信用しているのね、確かにあの子のお陰で色々と止まっていた足を動かす事が出来たのだけれど、見えていなかったモノが見えるようになったのだけれど、それでも妖刀使い山中 修は弱いのよ」
「わかってる 修の弱さも 強さも 成長の兆しも 誰よりも 白達が見てきてる だからこそ 信用する 信頼する あの子は簡単には 負けないし 死なない」
放たれた冷気が両足を襲い空気中の水分を掻き集め固形化、氷と成り行動の自由を封じ込めたのだが直後足元が燃え上がりそれは瞬く間に溶けて液体となる
「そう、貴女がそこまで言うのならば私はこれ以上なにも言わない、総てが上手く行くといいわね」
「うん」
突き出された薙刀を最小限の動きで回避し懐に入り込んだリンは腹部に向けて掌底を繰り出し衝撃を体内に拡散させる
「うッ‐伏‐!」
痛みに堪え身体が体勢を崩そうとも喉から声を絞り出し言霊を具現化、叩き付けられるように勢い良く地面に伏した隙に自らは後ろへ下がり十分な距離を取った
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