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時間は過ぎて放課後
「イッテェ幼なじみに延髄キックとかどんだけバイオレンスなんだよ」
「自業自得よ」
文句を言いながらまだ痛む首を押さえる修と反省しなさいと言わんばかりの春は下校のため歩道を二人仲良く歩いていた
「あっそうだ朝お母さんがシュークリーム作ったから食べに来なさいって言ってたよ」
シュークリームと聞いた瞬間目を輝かせる少年が一人
「マジで!行く!絶っ対行く!!」
春の母親が作るシュークリームは修の大好物であり幼少の頃から春の家に行ってはご馳走になっていた
「早く行こう!シュークリームが俺を待ってる!!」
春の手を掴み夕陽が赤く照らし出す帰路を一気に走り抜ける
「ちょっと待って転けちゃう」
「頑張れ!俺のシュークリームの為に!」
二人は転ける事なく無事帰るべき家にたどり着いた
「うんまいっ」
「あらあら修君がそう言ってくれると嬉しいわぁ」
手づくりシュークリームを頬張り足をばたつかせる修に笑顔を向ける春の母親、如月楓
「修それ何個目よ」
「んー五個目?」
「そんなに食べてよく太らないわね」
呆れたようにテーブルに肘を着いた春は手の平に顔を乗せ六個目に手を伸ばす修を眺めてタメ息を吐いた
「ごちそうさま!」
結局十あったシュークリームの内七個を暴食した修は満足げに腹部を擦りながらそう言う
「はいお粗末さまぁ」
「糖尿病まっしぐらね」
「うっせ」
春の言葉を一蹴しイスから立ち上がって荷物を肩に掛ける
「もう帰っちゃうの?」
「あぁあんまり長く居ても迷惑だからな、外暗いし」
「そっか」
修はシュークリームのお礼を言って玄関に向かい靴を履く
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