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この島国に来て約一ヶ月の月日が過ぎて夏休みも残り幾日となり弟子達それぞれの修業は着々と進んでいた
‐サンシャイン‐
「《燦然と煌めけ》」
翳した手の平から撃ち出されたのは太陽の魔法
直径五十センチ程の円形なそれは一直線に突き進み壁に着弾した瞬間に爆ぜこれまでの修業の中で一番の破壊力を魅せる
「やったッ!」
「うん 良く 出来ました、 それが 詠唱破棄 今の感覚 忘れないで」
誉められて嬉しく思う髪を頭の後ろで一纏めにした妖刀使い 春は指導してくれていた白に向かって満面の笑みを浮かべる
一方その近くでは
「‐Flame‐」
「‐弾‐」
ぶつかり合う炎と氷、対極する二つが接触したが故に大量の水蒸気が発生し両者の足元まで流れ出す
「‐Thunde‐‐Water‐‐Stone‐‐Light‐‐Darkness‐」
間髪いれず雷、水、石、光、闇の塊が眼前の妖雪女へと放たれ紫色の髪を揺らす少女は勝利を確信し薄く笑みを浮かべるのだが
「‐薙‐」
それはたった一文字の言霊に具現化され現れた冷気によって薙ぎ払われて掻き消され又は凍結して砕け散り完全に無効化される
「なっ!?漢字は卑怯っスよ!」
「だって漢字でしか言霊が使えないんです!」
互いに接近し交差する剣と薙刀、そんな会話を交わしつつ言霊師 リンと雪女 冷羅は修業を重ねて行く
「大分戦えるように成ったわね、リンも冷羅も」
それをある程度の距離を置いて傍観するシェリー、銀の髪に黒いスーツを着込んだ彼女は腕を組んで微笑んでいた
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