成長の兆し

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捩じ伏せられ凍り付いて張り付いたスーツを地面から引き剥がしながら立ち上がり眼前の冷羅を見据えるリン 「‐Thunder‐And‐Metal‐」 差し出すように伸ばした腕の手中に金属の弾が出現、雷を帯びたそれは徐々に色を変えて行く 「‐凍‐加‐滅‐」 一方冷羅も胸元で握り込んだ左手に冷気を纏わせ自身を中心に円を描いて地面を凍て付かせる 「‐Railgun‐」 放たれる電磁加速砲、閃光と轟音を伴って空気を突き破り衝撃波を発生させながら音速を遥かに越える速度で突き進む金属球 「‐絶氷‐」 拳を突き出し指を鳴らす、刹那足元の円が拡張し周りの空気が凄まじく雄々しく轟々しく怒濤の吹雪と成りて吹き荒れる 発動は同時でも速度は比べるのもおこがましい程にリンの攻撃が速く吹雪は冷羅を護る盾の役割となり、ぶつかり合いせめぎ合う二つの言霊 普通なら自らの熱で溶けてしまう金属球は吹雪によって冷される事で皮肉にも原型を止め続け雪崩れ込む冷気は止まる事を知らず完全に拮抗の様相を呈し、やがて二つは互いに威力を衰えさせ最後には相殺という結果で終わりを告げる 「二人共そこまで、休憩にしましょう」 熱により黒く焦げた一線と広範囲に凍り付く氷が描かれた地面に脱力した両者が座り込む 「大丈夫っスか?」 「えぇ問題ありませんよ、リンさんは?」 「大丈夫っス」 互いに腰を落とし互いに心配し合う二人 「派手にやったね、私じゃもう敵わないかも」 「そんな事ありませんよ春さん」 そこに春も参加し三人娘は会話に花を咲かせ仲睦まじく笑みを浮かべた その瞬間だった、壁を自らの背中で打ち破って破壊し瓦礫と共に傷だらけの修が現れ一同皆言葉を失ったのは
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