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「またいらっしゃいね」
「絶対また食べに来るよ、じゃあな春また明日」
「うん、また明日」
玄関の扉を開け二人の見送りを背に夜の住宅街へと歩み出した
「コンビニ寄っていこ」
自宅に向けて歩いていた修だったが急に思い立ち予定を変更して方向転換、真逆の方向に歩き出しコンビニに向かう
その途中
「なんだ?」
人気のない夜道を歩いていると金属と金属がぶつかり合ったような高い音が微かに鼓膜を震わせる
「こっちか?」
まるで音に引き付けられるかのように暗くて先の見えない横道に入いっていく
奥に進むにつれ次第に大きくなる音
しばらく暗闇を歩いて行くとそこに待ち受けていたのは普通では有り得ないような広い空間
「は?嘘だろ…」
そこでは昔話に出て来るような鋭い牙と爪を持った浅黒い大きな鬼と刀一振りで舞うように戦う紫色の着物を身に纏った一人の女性が命の奪い合いを行っていた
「どうなってんだ?」
そう呟いた言葉が自身の存在を示してしまい、女性を払い除けた鬼は叫びをあげて走りだし一直線に突き進む
「ちょっわっ!わっ!」
得体の知れない二足歩行生物が襲ってくれば逃げるのは道理だが相手の身長は約2メートル半程
まず歩幅からして違い過ぎ走る速度も圧倒的に鬼の方が速い、結果すぐに追い付かれる
「だっ誰か助けてッ!」
修を目で捉えた鬼は目標を叩き潰さんと片手を振り上げ狙いを定めて一気に振り下ろす
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