プロローグ 「終わりと始まり」

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しかし、一難去ってまた一難とは言ったものである。 人類は再び、滅亡の危機に瀕する事となった。今度は、予想もしていなかった、外部からの脅威によって。 西暦2040年。前年に発見された、新たなエネルギー資源……「ディフィウム」の採掘場付近に、「それ」は現れた。 まるで特撮の中から抜け出てきたような異形の姿をした、「化け物」と呼ぶしかないようなそれは、イギリスのディフィウム採掘場一体を、出撃した世界連邦軍のCAF部隊ごと、塵に変えたのである。 この時突然現れた、硬い鱗に覆われた、CAFの三倍はあろうかという巨躯を誇る化け物に、人類は為す術を持たなかった。 資源危機にも直面していた人類の救世主となるかもしれない新物質……ディフィウムの発見から僅か一年後に現れた化け物。 何か因果関係があるのではないかと多くの学者が調査を始めたが、2058年現在でも判らずじまいだ。 世界連邦はこの化け物を「破壊獣」と名付け、当初は人類同士の争いに用いられる筈だったCAFも、すっかり対破壊獣用の兵器へとその姿を変えていた。 そんな中、破壊獣の初出現から14年が経過した、西暦2054年。 日本は破壊獣に対して新たな対策を講じる事を提唱した。 それは、従来の戦術である、CAFや戦車、戦闘機の物量で破壊獣に対抗するのではなく、ただ一体で破壊獣を圧倒する、言わば「スーパーロボット」の開発というものだった。 提唱した当初こそ、他の国々からは鼻で笑われたものだが、驚くべき事に、日本は僅か一年で、その「スーパーロボット」を開発したのである。
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