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驚いた時はまず一つ一つ冷静に確認していく。
周りを見渡そうと、立ち上がる。
俺を中心に10mくらいの円形の土地。
素材はコンクリート…なのか?
それにしては、やけに白い気がする。
その土地のふちには柵があり、その向こうには空が見えることから、どこかの屋上だと推測できる。
柵の下はどうなっているのだろうか。
気になる。どれくらいの高さなのか。
雲の動きが早いことから、結構な高さなのだろう。
髪を揺らす風が心地よい。
あぁ・・・、この世界にはこんな心地よい場所があったのか。
そう思わざるを得ない場所だった。
次に、起きた出来事を確認する。
まず、朝家を出て歩いていた。
突如、空間が裂け声が聞こえた。
その後、意識が途絶え、ここにいた。
「全く、わかんねぇ…。」
何がどうなってるのか分からず、思わず両手で頭をかきむしる。
ああああああああああ。
なんだかイライラしてくる。
そんな時、後ろから声が聞こえた。
「うむ。君が白井仁でいいかな?」
この声、あの声と同じだ。
空間の裂け目から聞こえてきた威圧感のある低い声。
威嚇しようと、目を尖らせながらゆっくりと振り返る。
「威嚇というのは、自分より弱者に対して力を誇示することだ。強者には無意味だよ。」
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