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そこにはおっさんがいた。
腰まである白い髪。
声は中年、だが体は引き締まっている。
古代ヨーロッパを連想させる白い布を体にまとっている。
そして、極めつけは背中から見えている4対の羽。
全ての要素が複合し、どこか神聖な雰囲気を感じさせる。
先ほどの言葉と照合した結果…俺では手も足も出ないと判断し、警戒を解く。
「うむ。随分と利口じゃないか。物分かりの良い人間は好きだよ。」
先ほどとは違い、顔を微笑ませる。
「おっさんに言われてもうれしくねぇな。」
「とりあえず、座ってゆっくりと話しをしようじゃないか。」
こいつ……、無視しやがった。
少しイラッときた。
“パチン”
おっさんが指をはじいた瞬間、突然横にテーブルとイスが出現した。
本日3回目の奇怪な現象には、もう驚くまい。
おっさんはイスを引いて、席に着く。
それを見習い、俺も席にすわる。
…座り心地は悪くない。
「うむ。話をしようか。」
「待て。」
俺はおっさんの言葉に口をはさむ。
いい加減気になってたんだ。
「話の前に聞こう……お前は”何"だ?」
「何、とな?面白い質問をするじゃないか。」
おっさんは、嬉しそうに口をゆがませる。
ニヤリ、とでも擬音が今にも聞こえてきそうだ。
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