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合宿も終わり、東京へ戻って私は高校生活を満喫していた。
時々寂しくなる事もあるけど、そんな時は青空の下で晋作さんの名を呼ぶ。
すると風が答えてくれるから、頑張れた。
「お昼だ、お昼ー♪**ちゃんご飯食べよ!!」
カナちゃんがお弁当を持って私の席の向かいに座る。
「うん!」
かぱっとお弁当箱を開けると、今日のおかずはハンバーグだった。
晋作さんが食べたいって言ってハンバーグ。
「「いただきまーす!!」」
カナちゃんと声を揃えていただきますをして、ぱくりとハンバーグを口へと頬張る。
「………ぅッ!!」
私は急に気持ちが悪くなりトイレへと駆け込んだ。
後を追ってカナちゃんが私に声をかける。
「**ちゃん?大丈夫???」
「げほ…げほ……ッ」
私はそのまま吐いて、保健室へと連れていかれた。
シャッ…
「先生はちょっと席外すけど、おとなしく寝てなさいね?」
「…はぁい…。」
しんと静まり返る保健室で真っ白な天井を私はただ見つめる。
そっとお腹に手を当てて…。
「ねぇ、晋作さん?」
私はぽつりと呟く。
「晋作さんの命は…未来に繋がっているかもしれないよ?」
保健室に連れられてすぐ、先生は私の顔を見て吐き気の原因を教えてくれた。
物凄く驚いたけど…
心当たりはあったので、自分でも驚く程すんなり受け入れられた。
あ!
無いとは言わせないからね、晋作さん!!
クスクスと笑い、私は目を閉じる。
晋作さんに逢う為に。
瞼の裏に映る晋作さんはとても嬉しそうに笑ってた。
私は貴方の分までこの子を愛し、生きて行く…。
そして、いつか逢いに行く…
青空の向こうへ…
そしてまた、一緒になろうね………
Fin.
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