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バタバタバタバタ…
「カシラ!カシラーーーーー!!」
スパンッ!!!!
廊下からけたたましい声をあげて、1人の藩士が部屋に飛び込んできた。
「「!!」」
「Σーーーーーっ!///すっすっすっ!!すいません!!!!」
俺達の姿を見て、飛び込んできた藩士は真っ赤になって慌てて踵を返して部屋を出ようとする。
「…ッ待て、何かあったんじゃないのか?」
俺は身体を起こして、藩士に問い掛けた。
正直、こいつが飛び込んで来てくれてよかった…。
俺は心の中で本気で思った。
藩士は固く瞼を閉じたまま口を開いた。
「あ…//坂本さん達がお見えになりまして…!!」
「!坂本達がか??」
「はっ!今、桂さんが広間へお連れしています//」
「…そうか。」
「…龍馬さん達…来てるの?//」
真っ赤な顔をした**も身体を起こして、俺を見た。
「何しに来たかはわからんが、そうらしぞ。」
俺はそう言って、戸惑いの顔を隠せずにいる**の頭をくしゃっと撫でた。
「…それとこちらにカシラ宛ての荷が届いてまして…//」
そう言うと抱えていた包みを俺に見えるように持ち替える。
「俺に荷……?
ああっ!!そうか…そうか!!漸く出来たのか!!!」
「…し、晋作さん?//」
「おい!それを早くよこせ!!早くだ!!!」
待ちきれない俺は畳をバンバン叩いて催促をする。
慌てた藩士は、
「は!はい!!こちらです!!!」
と言って綺麗に包まれたそれを俺に差し出した。
「お前はもう下がれ、あとから広間に向かうと小五郎に伝えておけ!」
「は…はい!」
藩士はそのまま踵を返して広間へと走って行った。
俺は受け取った包みをガサガサと開き中身を見る。
「…うん!!いい仕上がりだ!」
バッと広げ、俺はそれを**の肩へふわりと架けた。
「!晋作さん…これは…//?」
光の加減で淡く白銀の花模様が浮かび上がる、高杉家の家紋を入れた白無垢…。
「…仕立てておいた、お前を俺の嫁に迎える為に。」
そのまま俺は**を力いっぱい抱きしめた。
「…晋作さ…//」
「俺達は夫婦になる、そう約束しただろ?」
「!」
「まるで誂えたように皆が揃った…俺は今日、お前を嫁に迎えると決めたぞ!!!」
「晋作さん…//」
ゆっくりと身体を離して、互いに見つめ合う。
「皆の前で誓おう…今日が俺達の祝言だ!!」
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