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ザッザッと足音が遠退いて行くのを確認して、ワシははっとする。
ワシの腕の中で真っ赤になっている**。咄嗟に腕を緩めて、
「す…すまんぜよ//!!!」
と、**の身体をぐっと引き離した。
「…い…いぇ………///」
ワシは慌てて**に背を向ける。
きっと今のワシの顔は誰にも見せられないくらいだらし無い顔しておるにきまっちょる//
腕に残る感触・匂い…
それがワシの感情をこんなも大きく揺さぶった。
想いを募らせてはいけないと想うほどに**への想いは大きくなり、ワシの心は**に奪われていく…。
『ニャー!』
その時、白い猫がひょいと石垣を越えて中へと入ってきた。
『ニャニャーー!!』
**の腕に抱かれていた子猫がじたばたと暴れる。
「わ…っ!!」
ぴょんと腕から飛び降りると、子猫は一目散に白猫の元へと走っていった。
**がぽつりと呟く。
「…親猫、なのかな…。」
「…みたいじゃのぅ。」
ワシもぽつりと呟くように返事を返す。
テテテッと走り去る子猫の後ろ姿を見て、ワシの心にある想いが過ぎる。
いつかは**もあの猫のように親元へ帰ってしまうがか…。
そんなの嫌じゃ…
ワシは…嫌じゃ……
―――絶対に嫌じゃ!!!!!!
ワシは心の中で叫ぶ。
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