EP 坂本龍馬

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ピピピッ… 「……んぅ…。」 枕元で鳴り響くケータイのアラームで目を覚ます。 手探りでケータイを探し、アラームを止め身体を起こすと陽の光が零れるカーテンを勢いよく開けた。 シャッ!! 「くっ…!」 部屋いっぱいに降り注ぐ朝日に思わず目が眩む。 カラカラと窓を開けると心地よい春風が優しく頬を撫でた。 「…また、昔の夢を見たのぅ……。」 そう… わしは生まれ変わって未来へやって来る事が出来た。 昔の…、 幕末を生きた"坂本龍馬"の記憶を持ったまま。 "平成"という時代に生まれ、あっという間に時は流れていった。 窓の外から室内へと視線の先を移すと、部屋の中には沢山の段ボール箱の山。 わしは今日、生まれ育った京都を出て東京へと立つ。 勿論、**を探してまた出逢う為に。 **を探す手ががりは"東京"しかない。 それでもわしは、**とまた出逢えると信じている。 百十数年の時を越えて幕末のわしの元へ**がやって来た"奇跡"…。 そしてまた時を越えてわしが未来へやって来れた"奇跡"。 これは偶然なんかじゃない… わしと**は強い絆で結ばれておるに違いない。 必ずまた"奇跡"は起こる……!! 『**は同じこの時代のこの空の下に必ず居る』 わしはひたすらそれだけを信じて生きてきたんじゃ…。 ピンポーンと呼び鈴が鳴る。 気づけば時計はもう9時を回っていた。 玄関を開けると、荷物を取りに来た引越し屋が準備万端でやって来ていた。
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