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キーンコーンカーンコー…ン…
「はっ!時間!!」
「はっ!部活!!」
鐘の音に、**と“カナ”は互いに顔を見合わせて校舎の時計に目を向ける。
「先生、すいません!私たち部活があるので!!」
“カナ”はぺこりと頭を下げると、**の手を引いて走り出した。
去り際に**は後ろを振り返り、
「龍馬…先生っ!
さっきはぶつかってごめんなさい!!それと…これからよろしくお願いし
ます!!!」
と、大きな声で言ってぺこりと頭を下げた。
「!
ほらほら!!またちゃんと前を見んと人にぶつかってしまうぜよ!!」
遠くへと走り去るその小さな背中に、わしも大きな声で返事を返した。
はちきんで危なっかしくて、
くるくると変わる表情にその優しく愛らしい声。
ほんに…
ほんに、あの頃と何も変わらん**なのに…
―――ぽたり
と一滴、涙が零れ落ちた。
長い長い時代(とき)を越えて、おまんに出逢えたというのに……
・・
『龍馬…“先生”っ!』
わし
おまんの中に“龍馬さん”は…
もう…いないんじゃな………
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