中岡慎太郎

3/7
前へ
/7ページ
次へ
龍馬が存在が大きくなればなるほど慎太郎の影がうすくなる。ひどい小説などでは龍馬暗殺時にたまたま居合わせた土佐出身の志士程度の扱いになる。ほとんどが龍馬の盟友、右腕など、龍馬ありきの補佐的な立場で扱われる。実際幕末好きの知り合いと話をしても、龍馬と暗殺された人くらいにしか認識がない。慎太郎の功績が龍馬がやったことになってる面は否めない。薩長同盟などはまさにそれだ。元々慎太郎はバリバリの武力派で長州の対幕府の合戦などには全て参戦している。「戦の一字」と言っていたように革命は戦争して相手を叩き潰さないとなしえないと思っていた。その経験を経て倒幕には薩長が手を結ぶことが不可欠だと痛いほどわかっていた。後ろ盾もあった。三条らが京を追われたのち慎太郎は長州で護衛を務めていた。勤皇派の岩倉を引っ張り出してきて三条と引き合わせたのも慎太郎だ。薩長同盟のシナリオとしては三条、岩倉を後ろ盾に慎太郎が動き桂と西郷を繋ぎ合わせたというのが実際のところだ。桂と西郷を引き合わせる手段の一つとして龍馬の亀山社中を利用した。 これが龍馬が思案し、桂と西郷に手を結ばして薩長同盟がなったというふうになっている。そんなに簡単な問題でないし、脱潘浪人の龍馬がひょいと出てきてなし得る訳がない。そもそも龍馬自身倒幕にそれほど関心を持っていなかっただろう。現にそれまで倒幕運動に全く関与していない。せいぜい最後に下関で高杉と戦ったくらいで。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加