事の発端

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「お前は天才かって」 春哉は言うと同時に隼人の頭を軽く叩いた 隼人はそれに微塵も動じる様子を見せずに「お前よりはな」と同じように叩き返した。 「なんだかんだで仲いいよな、お前ら」 「俺は雅史とのが仲いいと思ってるけどな」 「俺は雅史とも春哉とも仲がいいとは思ってないな」 邦科 雅史(クニシナ マサシ) これが俺の名前だ ゲームは好きだが春哉程に上手くも詳しくもない 成績も悪くはないが隼人程の成績ではない つまりコイツらを足して割ると俺になるだろう。 少し色素の薄い焦げ茶の柔らかく細い髪に、赤フチの眼鏡が俺のチャームポイントだと思っている。 身長は低くも高くもない。 ただ春哉と隼人が長身の為、俺が隣に並ぶと少し小さく見えてしまうのが悲しいこの頃だ。 「なあ、今日俺ん家でゲームやらね?」 春哉が俺と隼人を交互に見ながら問いかけた。 「今日か、俺は別に大丈夫だけど。隼人はどうなんだ?」 「俺も特別用はないが…俺はそれに行って特をするのか?」 すると春哉がすかさず「絶対楽しいから」と身を乗り出した。 「でも春哉、そういうホラーゲームって一人でやるから楽しいんじゃないのか?」 「なにを今更、雅史、こういうのは怖がるヤツを見ながらやるから楽しいんじゃないか。俺は幽霊云々には全く恐怖心がないから逆につまらないんだよ」 確かにホラーやオカルトが大好きな春哉だが、そのわりに感想を求めると「怖くなかったな」といつも淡白にしか反応しないのだ。
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