開かれる力

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「ああ…あ、ああ…」 「どうした!ユリ?!」 「こな…いで…きちゃ…ダメェェェエエ!!」 爆発を起こしたかのように、辺りの椅子や机が破壊され、シャンデリアが音を立てて割れていく。近くにいたグラーダたち3人は壁に打ち付けられる。 「くそ…酔ってるだけじゃ…こんなによろける事はないよな…。」 「手紙に書いてあった通りの…力の暴走?だとしたら、今はこの指輪を…」 「グラーダ!その指輪を私に!早く!」 転がり落ちた指輪を素早くグラーダは拾っていた。そしてその指輪をミラに渡す。 <指輪に宿りしその力よ。我が魔力に乗せ、彼の者の力を抑えよ!ディスペル・マジック!> 閃光のような白い光は、力を放ち続けるユリを包む。そして、ユリは絶叫をあげ、そして気絶する。気絶したことにより、放出し続けていた力は止まる。 「まさか…ここまでの力が…。」 ミラは、気絶したユリに近づき、その指に指輪をはめる。 「一体…何が…!ミラ!」 指輪をはめたミラは、ユリの隣に倒れこむように力尽きる。増大な魔力の消費に、術者の体力は限界だったようだ。 この日、ユリは10歳の誕生日であった。
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