開かれる力

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各々のグラスに注がれた飲み物を飲み干す一同。 「ふう~。とはいえ…グラーダ、俺はあまり喜べねぇな。お前の腕の分の価値があるか、俺には自信もねぇ。」 グラーダはドラゴンの襲来の際、アクシデントに見舞われ、左腕を失った。人の身丈ほどある大剣を振るっていた彼にとって、それは命を落としたに等しいほどのものであった。 グラーダは、失った左腕辺りを押さえながら、ユリ…あの災害の中で救った少女を気遣うように話し始める。 「そう言うなリュー。確かに俺の腕は失ったが、人の命が救えた。俺らの意義はそこにある。お前も忘れるな。」 「グラーダさん…。」 グラーダは微笑みながら、右腕でユリの頭を撫でる。 「相変わらず志の高い方ですな。ま、精進するさ。なあミラ…ミラ?」 ミラはグラーダとユリをじっと見ながら、少し不機嫌そうな顔をする。 「まったく…あの娘が…。」 「なぁ、ミラってば?ミラちゃ~ん?」 「何よ!うるさいわね!」 「はぁ?!なんで怒ってるんだよ!あ、もしかーしてー。」 「…何でもないわよ!ほら!今日はあなたのお祝いなんだから、もっと飲みなさいよ。ホラ!ホラ!!」 リューの言いたいことはミラにはなんとなく感じるところがあった。それを隠すように、リューに八つ当たりをする格好になった。
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