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「そういえばユリ。あの箱の中は何だったんだ?」
「ええ…と、実はまだ空けてなかったの。なんというか…怖くて。」
「そうか…しかし、それは君のお祖父さんの意図することではないだろう。君とあの箱は私に託されたと思っている。どうだろう、せっかくの機会だ。今ここで空けてみては?」
「…でも…。」
「大丈夫だ、俺も、みんなもいるさ。」
その言葉に、ユリはこくんと頷き、ミラの屋敷で与えられた自分の部屋からあの箱を持ってくる。ユリは食卓の真ん中に、その箱を置いた。
「実は…この箱、どこから開ければいいのか分からないの。」
「ん?ならたたきこわそーかー オレの一撃でへへぇ。」
「酔っ払いは触らない!…ん?この箱、微かだけど魔力を感じる。ならば…。」
ミラは目をつむり、集中をする。すると両手がぼんやりと青白く光る。そしてミラは静かに唱える。
<護りの力よ、今その力を解き放ち、覆いしそのものを我が前に現せ!アン・ロック!>
ミラの両手は力を放ち、青白い光は赤い光へと輝きを変える。そして、閉じられた箱がゆっくりと開いていく。その箱の中には、鳥の羽のような紋様が刻まれた小さな指輪と、二つ折にされた1枚の紙が入っていた。
「指輪…と、手紙?」
ユリは指輪と手紙を手に取り、そして手紙を読み始めた…。
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