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「準備OKだ」
極めて短く、告げる。
向かいに構えるフィリアは、未だ魔導具すら出していない。
「それでは私も……」
フィリアは一本の剣を出現させ、その剣に翠の風を纏わせた。
キリエの得意とする高等技術、魔技だ。
フィリアは、四大貴族の中の風を司る一族。その魔技の切れ味は、キリエの比ではないだろう。
だが、いかに強力な魔法といえど、このエクスキャリバーの前では無意味なのだ。
「それではこれより決闘を開始します!」
受付の女性が声高らかに宣言すると同時に、俺とフィリアは揃って地を蹴った。
黄金の軌跡を描いて、エクスキャリバーがフィリアに向かって刃を滑らせる。
それと重なる軌道で、フィリアの風の刃を纏った剣が振るわれる。
──ガキィィン!
両者は、二人の間で激しい金属音を立てて交錯した。
「どういうこと?」
訝しんで声を上げたのは、フィリアだった。
本来なら、風の刃に阻まれて金属音など鳴るはずもないのだ。
それが今鳴った。その上、どういう原理かは分からないが、エア・ソード──風の刃は完全に消滅してしまっていた。
「『エクストラジャマー』……。このエクスキャリバーの特殊効果だ。触れたモノの魔法や特殊効果を打ち消す。それがすでに発動された魔法や永続の特殊効果だとしてもな。
逆にいえば、この剣が触れない魔法や特殊効果であれば、打ち消されない」
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お詫び
すいません。勝手にエクスキャリバーのエクストラ効果を設定してしまいました。
グラムを超える剣ということで、グラムのエセリアルシフトを凌駕する設定にしてみました。
ランサーのゲイ・ジャルグと被ってるような気がしますが、ご了承下さい。
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