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しかし中には小型種や中型種を食す大型種も存在する。そして困ったことに大型種は軒並みに凶暴で節操がない。人は勿論のこと、小型の砂海船が丸々飲み込まれてしまったという話があるくらいだ
「一一砂鮫。それもテイオウスナホオジロ、か」
ぽつり、と呟いた。瞬間、轟音。マリオンの後方から砂の柱が立ち上る!
「ま、八つ当たりにはちょうどいいわね」
マリオンが振り返るとそこには大砂海を支配する、1人の帝王がいた。全長10数メートル。
水の何倍も抵抗が強い砂の海を泳ぐための、暴力的な筋肉。異常に発達した胸ヒレは翼のよう。
帝王は巨大な口を押し広げ、マリオンを食らわんと迫っていた。
「ねぇ、あんたには悪いけど一一」
マリオンは腰の得物を引き抜く。熟練の狩人すら失禁しそうな帝王の殺気にも怯むことなく狙いを定めた。
「あたしは今ッ!ものすごーく気が立ってんのよッ!」
銃撃銃撃銃撃銃撃ッ!
……静寂。
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