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「お前な、俺はそういうことを言ってるんじゃないの。人情とか徳とか思い出とかお金では計れない事柄を大切にしろって言ってんだよ」
うわ、またお説教だ。アレックスは耳を聞き流しモードにして8割方音声をカットする。
「いいか、天国に行くか地獄に行くかは死ぬまでに心からありがとうって言われた数で決まるんだぜ。だからって訳じゃねェが、人間は他人に優しく生きるべきなんだよ。たまには損得を無視して動くべきなんだよ。その点お前はいつも金、金、飯、銃、金、金、か一一」
突然カザハラの説教が止まった。
「……? どうしました?」
「いや、何か今少し揺れたような……」
「そうですか? 私は何も一一」
感じなかったです。
そう言いかけた少女の足が急に地面に沈み込む!
「うわッ!? カザハラさんッ!?」
「おまッ!? 積極的なのは大歓迎だがいきなり抱きつくなッ!?」
「だだだ誰があなたに好き好んで抱きつきますかッ! そんなことより助けてください!?」
あっという間にアレックスは腰まで飲み込まれていた。
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