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抱きつかれたカザハラの体もずぶずぶと沈んでいく。このままでは2人とも生き埋めになるのも時間の問題だ。
「ちィッ!? ちょっと借りるぜ!?」
「ひゃう!? ちょ、どさくさに紛れてどこ触ってんですかッ!!」
「んな貧相な尻触るか! 別に減るモンでもねェだろ!」
「減りますよッ! 私の乙女心がガンガン磨り減るんですよ!」
カザハラはアレックスの腰のホルスターを探り手に取る。銃、といっても普通の銃ではない。銃口から銛が覗いているのだ。銃というより銛を射出するためのカタパルトと言った方が正確だろう。
カザハラは手近な壁に銃口を向けて引き金を引いた。
銃撃ッ!
発射された銛の後ろにはロープが結びつけられており、カザハラは2、3回ロープを強く引っ張って確認する。
「一一よし!」
壁の脆さが心配だったが、何とか大丈夫そうだ。
そのまま手繰って脱出しようとするが、これは、予想以上に一一
「お、重!? お前また太りやがったかッ!?」
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