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「~~っんな訳ないでしょうぶっ飛ばしますよッ! いーから早く引き上げてッ!!」
「暴れるなッ!! 言われなくてもやるってのッ!!」
数分後、頬を張られて地面に転がるカザハラと、砂を払い愛おしそうに銃を磨くアレックスの姿があった。
「ふぅ。まさかこんなところに流砂があるとは……この『ヘッジホッグ・ショット』がなければ危ないところでした。こんな名銃を作るなんて流石私、天才です」
カザハラは地面に寝たままだった。余程流砂からの脱出が堪えたのか、呼吸もかなり荒い。
「それに引き換え……全く大の男がこの程度で情けない。『不抜(ぬかず)』のカザハラの名が泣きますよ?」
「ぜぇ、おま、何もしてね……ぜぇ、それに、重、過ぎ」
「「………」」
ぶっつん。何かが切れるような音が聞こえた気がした。
「まだ言いますかこの超絶貧弱成人ッ! 私は軽っ軽の四十うんキロですよッ!」
売り言葉に買い言葉。男も上体を起こし大口を開けて反駁した。
「いーやあるね! 確実に倍はあるねッ! ちっこい体にどんだけ肉詰めてやがんだよ! つっても肝心な部分はぺらっぺらだがなッ!」
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