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春の暖かな日光がアスファルトの道路一面に光り輝いている。
その上を、全速力で自転車で駆けた。
まるで本当に風になったかのように。
「蘭花ちゃんじゃないか。おはよう」
「あ!おはようございます!」
近所のおじさんたちにも、挨拶をしつつ、住宅街を走り抜ける。
間に合うか、間に合わないかとギリギリライン。
荒くなる息で夢中で自転車を漕いでいた。
この、排気ガスに埋れた灰色の世界の中を。
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