第一章:頭痛。

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「え……?」 目を覚ますと、真っ白な部屋だった。 それだけで理解は出来た。 ここは病院だと。 「蘭花!大丈夫!?」 「蘭姉ちゃん!」 母親と弟が私の名を呼んだ。 私もそっちの方向を見る。 「私、何でここに居るの?」 「倒れたのよ、交差点の信号の所で」 「姉ちゃん!俺、心配して学校早退して来たんだぞ!」 苦笑して言った母親の言葉に思い出した。 誰かが私を呼んだことを。 「聞いてんのかよ!姉ちゃん!」 「あ、うん。ごめんね」 年の離れた小学生の弟がむくれて言う。 少し微笑んで私は弟の髪を撫でた。 「直ぐ退院出来るけど、今日は学校休みなさいね」 そう言ってきた母親に心配させたな、と思い苦笑して少し頷いた。 .
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