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「うるさい!私は絶対ご飯派なのよ!!」
「その発言はパンを馬鹿にしてんのか!?」
「パンじゃなくて、あんたをバカにしてるのよ!」
「てんめえ……ぶん殴るぞ」
「やれるならやってみなさいよ」
青空の下、新海と馬鹿騒ぎをする。
犬猿の仲と言う訳じゃないけれど、高校からの仲で一番仲が良いはず。
いつも言い合いしかしないけど。
「ええやん、朝食はどっちでも。日本人なら和を嗜んで欲しいけどな」
「そうだよね。怜くんと気が合いそうだよ」
ふわふわと目の前に居る二人は柔らかな会話をしている。
何だか似ているなあ、なんてことを思い、それに比べて私と新海の友達関係なんてと新海を見て溜息を吐いた。
「ま、俺らはコレで良いじゃんよ」
私が溜息を吐いて考えていることが分かったのか、横目で私を見て薄く笑う新海。
「だから何さ。何だか新海が年上みたいな感じで腹立つんだけど」
「うっせー。てめーより生まれた月は早えーぞ!」
意地悪く笑った新海を見て、思いっきり顔を背けてやった。
そんな私を見て、呉羽と怜は笑う。
声を上げて、ケラケラと。
屈託なく。
「そーいえば、次授業歴史だったな」
「そーやったっけ?呉羽ちゃん」
「多分、そうだと思う」
三人が会話をする中、黙々とご飯を食べる。
話に夢中で昼食が進んでなかったから急いで。
「なあ、次幕末やったよな?蘭花」
怜が私に尋ねてきた時、どうしてか胸が痛んだ。
チクリと。
締め付けられるように。
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